SusHi Tech TOKYO 2026で「美の再定義」を議論、データ共創マーケティングの未来を展望

tokila編集部

2026年4月28日、アジア最大級のイノベーションの祭典「SusHi Tech TOKYO 2026」が開催されました。

このイベントでは、パーフェクト株式会社、株式会社資生堂、株式会社アイスタイル、株式会社SISI、株式会社ViewBEの5社が登壇し、「美の再定義から始まる、データ共創マーケティング」をテーマとしたパネルディスカッションを実施しました。

美容とテクノロジーの融合、データ共創マーケティングの可能性について語られたセッションのハイライトを紹介します。

SusHi Tech TOKYO 2026 Beauty Tech セミナーレポート

パネルディスカッションの様子

美容におけるデータ活用の最新事例:「自分を知りたい」欲求の高まり

セッションの冒頭では、各社がどのようにデータを活用し、実績を創出しているかについて共有されました。

パーフェクト株式会社の中川良子氏によると、バーチャルトライオンなどのAR・AI技術によるサービスは、世界の化粧品ブランド上位20社のうち17社に導入されています。同氏は、美容に関するデータは生活者が積極的に提供するため、データ活用への注目度が高いと指摘しました。

パーフェクト株式会社のAIビューティーエージェントの概要図

株式会社資生堂の中西裕子氏からは、精密測定と専門家のアドバイスを融合させた「美の検診」が数千人待ちの反響を呼んでいると紹介されました。これは、デジタルとリアルを融合した新しい顧客体験の提供を目的としています。

資生堂ビューティー診断ラボの3ステップ

アイスタイルデータコンサルティング株式会社の大島さやか氏によると、日本最大級の美容プラットフォームを活用し、生活者のインサイトに基づいたマーケティング戦略策定支援が行われています。

iSTYLE DATA CONSULTINGの美容プラットフォーム活用

株式会社SISIの澤田実加氏は、自宅での肌解析を起点とした化粧品ブランドを展開しています。診断結果画面の平均滞在時間は約3分半に及び、顧客生涯価値(LTV)が想定の3倍に向上した事例を明らかにしました。

SISIの事業展開と肌解析キットSISI LAB

株式会社ViewBEの鈴木葉留奈氏からは、自分では見ることができない「頭髪・頭皮」に着目した診断データが、ブランドやリテールの顧客体験DXに活用されていることが説明されました。これにより、感覚に頼らないデータドリブンなマーケティングが実現しています。

ViewBEのFaview AIスカルプ&ヘアチェックシステム

データが生み出す体験変容と美容領域特有の「矛盾」

Act 2では、データの進化によって生じた「新しい価値観」と、人間らしい心理の矛盾について深く掘り下げられました。

ViewBEの鈴木氏は、美容がヘルスケアやメディカルよりも消費者にとって身近でポジティブなトピックであるため、生活者との継続的な接点を取りやすいと述べました。これにより、美容が生活習慣変革の入り口になる可能性が提示されています。

資生堂の中西氏は、肌や髪のデータを単体で終わらせず、体内の状態やメンタルと紐づけて考える東洋医学的思想が、現在では西洋でも一般化しつつあるというグローバルな美の潮流を語りました。

SISIの澤田氏は、データ解析が進むほど、数値の裏側にある人間らしい矛盾が見えてくると指摘しました。1万件以上の解析データがあっても、商品パーソナライズをただ提示するだけでは不十分であり、数値に現れない「情緒的価値」こそが重要であると説いています。

Beauty Tech trendをテーマにしたパネルディスカッションの様子

データが創る「個」のエンパワーメント:次世代マーケティングの展望

最終セッションでは、各社が考える「次世代のデータ活用」の姿が具体的に語られました。

SISIの澤田氏は、これからは単に診断結果を出すだけでなく、その後の生活にどう寄り添うかが重要であると述べました。データは「自分を知る」ための鏡であり、ブランドはその変化を一緒に喜ぶパートナーになるべきであると考えています。

アイスタイルデータコンサルティングの大島氏は、AIと感性の融合の重要性を強調しました。正解がわかるからこそ、あえてそこから外れる「ワクワク感」も大切にし、感性データをAIがどう解釈し、偶然の出会い(セレンディピティ)を演出できるかが鍵になると説明しています。

資生堂の中西氏は、あらゆる生体データが統合され、一人ひとりの「そのひとらしさ」や「心地よさ」が最大化される未来を目指したいと語りました。

パーフェクトの中川氏は、全ての美容体験の入り口にデータがある状態を理想としています。生活者が意識せずにパーソナライズの恩恵を受けられる、よりシームレスなインフラを構築することが目標です。

ViewBEの鈴木氏は、髪や肌の変化をデータで捉えることが、食事や睡眠といった生活の質を見直すきっかけになると考えています。美容を入り口に、人生そのものをポジティブに変えるデータマーケティングを確立することを目指しています。

次世代マーケティングの展望について議論する登壇者たち

株式会社ViewBEについて

株式会社ViewBEは、女性向けAI頭髪チェックサービス「Faview」を展開しています。髪と頭皮の状態に基づいたライフスタイル提案を行い、美容・健康分野において化粧品メーカーや食品メーカーとの連携を進め、データを活かした新しい価値創造を目指しています。

Faviewロゴ

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