シミ、シワ、たるみ、肌老化を改善!UV対策で光老化を防止
シミ、シワ、たるみ、肌老化…。
これらが共通する一因のひとつに、「光老化」があります。光老化は紫外線が原因の肌の老化現象のこと。30代に入った頃から顕在化してきます。
「最近シミが濃くなってきた気がする」「保湿してもシワが消えなくなった」という人は、光老化に負けない肌づくりを実践して、シミやシワの悪化を阻止しましょう。
紫外線がシミ・シワ・たるみを悪化させる
「光老化」とは、紫外線を浴び続けたことによるダメージが原因の老化現象を指します。
これは加齢による自然老化とは区別され、現在では肌の老化現象の8割が「光老化」によるものとされています。
肌に蓄積した紫外線によるダメージは、肌を酸化させ、シミを濃くする他、シワやたるみを加速させます。「光老化」をケア・予防することは、肌にとって究極のアンチエイジングケアといっても過言ではないのです。
光老化の症状その1 濃いシミが発生する
紫外線を浴びると、基底層にある色素細胞・メラノサイトがメラニン色素を大量に生成します。これは、生成されたメラニンを表皮に送り込むことで、紫外線を肌の内側にそれ以上進入させないためです。
ところが、紫外線を長期間浴び続けると、メラノサイトの数が増えて活性化しやすくなります。そして、一度活性化したメラノサイトはなかなか元に戻りません。
この状態が続くと、紫外線を浴びていないのにメラニンがどんどんつくられる事態に。結果、色の濃いシミが出現してしまうのです。
光老化の症状その2 シワ・たるみが悪化する
シワには、比較的浅めの表皮性のシワと、深さのある真皮性のシワの2種類がありますが、光老化は後者の真皮性のシワを悪化させます。
真皮性のシワの原因は、肌のハリ・弾力を保つコラーゲンやエラスチンの劣化です。波長の長いUVAは真皮に到達し、これらの線維を破壊してしまいます。このため、肌のハリが失われ、シワだけでなくたるみも悪化してしまうことに。
紫外線はA波、B波だけじゃない。C波もある!
光老化の元凶・紫外線はA波、B波、C波の3種類に分類されています。このうち、B波の一部とC波はオゾン層に吸収されて、地上には届きません。3種類それぞれの特徴を知っておきましょう。
◎UV A(長波長紫外線)光老化の主原因。ガラスも透過して室内に届く
最も波長が長い紫外線です。
皮膚に到達した場合、真皮の奥まで届いて、メラノサイトの働きを活性化させ、コラーゲンやエラスチンを破壊します。
光老化の主原因となる紫外線で、その大部分が雲やガラスなどを透過してしまうのが特徴です。
◎UV B(中波長紫外線)炎症などのダメージを皮膚にもたらす
大部分が表皮で吸収される紫外線です。
腫れや水泡、赤み、痛みなどの炎症(サンバーン)を引き起こす原因になります。
UVAよりも遺伝子を損傷する力が強く、継続的に長期間UVBを浴びていると、皮膚ガンを誘発するといわれています。
◎UV C(短波長紫外線)オゾン層による吸収で地表には届かず
最も有害作用が強い紫外線です。
波長が短いため、オゾン層を通過する際に吸収され、地表には到達しません。
抜かりないUV対策が、光老化を遠ざける!
紫外線対策は1年を通して必要!
光老化を防ぐには紫外線対策が必須です。
「紫外線対策は夏になってから」という人もいるけれど、実際はそれでは手遅れ。紫外線は1年中、地球上に降り注いでいます。特に、春先から急激に増加します。
また、前述のようにUV Aは雲やガラスを透過するので、曇りの日や室内でも油断は禁物です。
日本国内にいるならば、通年でSPF/PAが最高値の日焼け止めを使う必要はないでしょう。
それよりも、日焼け止め1本だけでなく、紫外線防止効果がある下地やファンデーションを取り入れて、ベースメイク全体で二重、三重に対策をするのが理想です。
以下のリンク先から、全国56地点のグラフが見られます。 http://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/link_uvindex_norm56.html
“SPF”はUV B、”PA”はUV Aの防御力を表す
本格的な紫外線対策に入る前に、SPF値・PA値についておさらいをしておきましょう。どちらも紫外線の防御効果を表す数値ですが、防御する紫外線の種類が異なります。
SPF(Sun Protection Factor)UV Bへの防御力の強さを示す数値
何も塗らないときと比べて、皮膚にどれだけ赤味(サンバーン)を起こすまでの時間を引き延ばせるかを表します。
たとえば、何も塗らないと20分で肌が赤くなる人の場合、SPF6の日焼け止めを使えば、20分×6倍で120分間(2時間)、肌が赤くなるのを防ぐことになります。
SPFの数値が高いほど、防御力も強くなります。以前は、100を超えるSPF数値の日焼け止めもありましたが、現在は50が国内の最高値となっています。
PA(Protection Grade of UVA)UV Aを防ぐ効果を示す
UV Aによる肌の黒化をどれだけ防げるかを示した数値で、日本独自の基準です。
+が多いほど防御力も高くなります。以前は「+」「++」「+++」の3段階でしたが、2013年から「PA++++」が加わり、4段階に。
ヨーロッパでは、独自のUV A防御指標として「PPD」という数値が使われています。
UV Aの防止効果がある
【PA++】
UV Aの防止効果がかなりある
【PA+++】
UV Aの防止効果が非常にある
【PA++++】
UV Aの防止効果が極めて高い
紫外線防止アイテムは状況に合わせて使うのが◎
紫外線の量・強さは場所や時期、時間帯によって異なります。
日本化粧品工業連合会の指針では、
SPF10〜20・PA+程度が適切
◆炎天下でのレジャー、リゾート地でのマリンスポーツなどは
SPF30〜50・PA++以上が適切
としています。使用するシーンに合わせて、賢く紫外線防止アイテムを使い分けて。
紫外線防御成分には吸収剤と散乱剤がある
日焼け止めなどに使われる紫外線防御成分には、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類があります。
一般に市販される紫外線防止アイテムには、このふたつのどちらか、または両方が配合されています。それぞれの違いを理解し、商品選びの参考にして。
紫外線吸収剤
紫外線を吸収し、熱などに変換して放出する性質を持った有機化合物。メトキシケイヒ酸オクチルやt-ブチルメトキシジベンゾイルメタンなどが代表的な成分です。
紫外線散乱剤
紫外線が肌に浸透しないよう、肌の上で物理的に散乱・反射させる無機粉末です。酸化チタンや酸化亜鉛など、酸化させた金属の粉などを使用します。
攻めの美白・守りのUVカットでシミを撃退!
表皮に蓄積されたメラニンがシミの正体
光老化による代表的な肌トラブル、シミ。まず、シミができるまでの過程を詳しく見ていきましょう。
通常のシミも光老化によるシミも、成り立ちは同じです。
しかし、光老化によるシミは、メラノサイトがメラニンを一旦つくりはじめると、紫外線を浴びるのを止めてもメラニンの生産が続く点が、通常のシミと大きく異なります。
30代になってから目立ち始めたシミは、光老化によるシミの可能性が大。早めに手を打って。
◆シミができるプロセス1 紫外線を浴びる
肌に紫外線を浴びると、表皮細胞がメラニンの生成を促す情報伝達物質(エンドセリン、プロスタグランジンなど)をメラノサイトに発信します。
◆シミができるプロセス2 メラニンが生成される
情報を受け取ったメラノサイトはメラニンを生成します。メラニンは、チロシンというアミノ酸とチロシナーゼという酵素が反応することでつくられます。
◆シミができるプロセス3 メラニンが表皮細胞に受け渡される
つくられたメラニンは、メラノソームという袋状の小器官に蓄積され、メラノサイトの樹状突起から表皮細胞に受け渡されます。
◆シミができるプロセス4 メラニンが表皮に蓄積される
肌のターンオーバーで剥がれ落ちなかったメラニンは表皮に停滞します。この停滞したメラニンが大量に蓄積されるとシミに!
メラニンの生成阻止が美白コスメの主眼
新たなシミの発生、既にあるシミの悪化を防ぐには美白コスメが有効です。
美白コスメに配合されている美白成分の大部分は、メラニンが過剰に生成される過程に作用するものです。
また、ハイドロキノンやビタミンC誘導体のように、既にある黒色化したメラニンを淡色化(還元)する作用のものもあります。
ただ、どんなに効果が高い美白コスメを使っていても、無防備に紫外線を浴びてしまったら、その効果は台無し。
万全の紫外線対策を取ったうえで、自分の肌状態に合った美白コスメを取り入れるのが基本です。
メラノサイトへの情報伝達を阻害する成分
カモミラETなど
チロシンとチロシナーゼの結合を阻止する成分
アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、プラセンタエキス、ルシノールなど
表皮へのメラニンの受け渡しを阻害する成分
ニコチン酸アミドなど
真皮性のシワ・たるみは紫外線防御が最大のケア
UV Aにより真皮のコラーゲンやエラスチンが劣化すると、真皮性のシワやたるみが発生します。
美容皮膚科でケミカルピーリングやヒアルロン酸注入などのケアをすることはできますが、残念ながらホームケアでは真皮性のシワやたるみを解消することは難しいのが現状です。
光老化によるシワ・たるみには、まず紫外線をしっかり防御して、シワ・たるみをつくらせないことが最善のケアだと心得て。
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