ストール、マフラー、スカーフ・・・巻き物の基本知識を総ざらい

tokila編集部

いわゆる"巻き物"と呼ばれるアイテム類は、いまやアクセサリーと同感覚で取り入れられ、ファッションの大切なアクセントです。種類はストールやマフラー、スカーフなどさまざま、巻き方もたくさんありますよね。今回は、巻き物の歴史と種類、定番の巻き方までたっぷり紹介。一度覚えておくと、年齢や季節問わず使える技が満載です。

ストール

ストールとは?

ストール

Caito

シンプルコーデにひと巻きするだけで、顔周りが華やかになり、ファッションを“リッチ”に格上げできるお助けアイテム。首に巻くのはもちろん、肩から垂らすだけでもおしゃれ。また、春、秋、冬はもちろん、夏は冷房対策や紫外線よけにも使えるので、年中出番のある便利なアイテムです。

ストールの歴史

10世紀ごろ、聖職者が儀式の際、衣服の上に肩から膝まで届くような長い「垂れ帯」「肩掛」を着用しており、それを「ストール」と呼ぶようになりました。当時の「ストール」という言葉には、衣服と同義の「長着」という意味もありましたが、次第に長着としての意味は薄れ、「(装飾的な)襟巻、肩掛」の意味が強くなりました。

イブニングドレスの上にストールを掛けて腕に絡ませる装い

そして16世紀ごろ、聖職者だけが着用していた襟巻・肩掛を模倣して、女性が権威や富裕の象徴として、豪華な毛皮ややわらかい絹織物を衣服の上からまとうようになります。
その時代の名残は現代まで続き、現在も女性の正装=「イブニングドレスの上にストールを腕に絡ませる装い」とされています。

イブニングドレスの上にストールを腕に絡ませる装い

ストールの基本の巻き方

エディター巻き

ストール エディター巻き

Ushico

ぐるっと一周巻き付けるだけの簡単&ベーシックな巻き方。かっちりしすぎずこなれた印象を与えます。もちろん、不器用さんにもうってつけ!

1.
ストールの幅が広い場合は、半分の幅に折るか、手でくしゅくしゅっとして細めにして首にかける。

2.

首にかけたら、片側を長くする。左右の長さが2:1になるくらいが目安。衿付きのシャツに巻く場合は、襟の外側にかけるのもオススメ。

3.
長く垂らした方のストールの裾を反対側の肩にかけて、そのままぐるりと一周させる。左右の長さを整えれば完了。


ぐるぐる巻き

ストール ぐるぐる巻き

Ushico

首元にボリュームをおいた「ぐるぐる巻き」は、防寒とおしゃれが同時にかなえられる使い勝手のよい巻き方です。見る人の視線も上がり、小顔&スタイルよく見せられる効果も。

1.

左右の長さが2:1になるよう、ストールの片側を長くして首にかけ、首の周りをぐるりと一周させる。

2.

両サイドの端を持ちツイストさせ、ねじった束を首の輪の中に下から隠すように入れる。ストールの端が外から見えないよう、コンパクトに整えるのがポイント。

アフガン巻き

ストール アフガン巻き

ボリュームがあるシルエットで、クールな雰囲気になれるアフガン巻き。ボヘミアンテイストの柄やフリンジのあるものを選ぶと、よりこなれた印象に。

1.
大判ストールを正方形にしてさらに対角線上に半分に折り、三角形を作る。

2.
折った両端を持ち、三角形の頂点を下にして首に巻き付け、首の後ろで2回片結びにする。

3.

2重になっている全面の三角形部分をずらしてニュアンスを出し、全体のドレープを整えたら完成。

肩かけ

ストール 肩掛け

Taka

ただふんわりかけるだけでもサマになるのが、ストールのよいところ。ファッションの差し色として、カーディガン代わりとして、防寒対策として・・・など、簡単なのにコーディネートの印象をガラリと変える便利な巻き方です。

そのほかにも、エディター巻きのすそを結んだ形の「ミラノ巻き」、首にかけ胸元で結び目を作ったゆるいネクタイのような「ループタイ風巻き」など、さまざまな巻き方があります。

ストールに使われる主な素材

カシミヤ(カシミヤ山羊毛)

ストール カシミヤ 素材

「カシミールゴート」と呼ばれる、山羊からとれる優良な毛。絹のような光沢感があり、強靭で滑らかな肌触りが特徴。世界的に広まったきっかけは、19世紀にカシミヤショールがフランスで大流行したことから。このため、今でもフランス語で「cachemire(カシュミュール:"カシミヤ"の意)」といえば、素材ではなくカシミヤショールのことを指しています。ちなみに、日本でも流行した「パシュミナ」は、カシミヤの最高級のものとして位置づけられています
が、本来はカシミヤと同じ意味なのだそう。

リネン(麻)

ストール リネン 素材

siro46

リネンフラックスという植物の茎部分から採った繊維を織ってつくられた、「亜麻」という素材の生地。吸水性が高いのに湿気を溜めにくい特性があります。使えば使うほどやわらかくしなやかになり、ヨーロッパでは古くからベッドシーツなどのホームアイテムとして使われてきました。

コットン(綿)

ストール 綿 素材

siro46

「綿」「綿花」「木綿」などの意味。室町時代に朝鮮半島から輸入。麻に比べてあたたかいため人気になり、江戸時代ごろから栽培されるようになりました。

ボア

ストール ボア 素材

bobco

ふわふわ、モコモコの触り心地がよい「ボア」生地の歴史は、19世紀に始まります。19世紀ごろ、チンチラやアストラカンなどの毛皮のストールが大流行しました。これらのストールがまるで大蛇(boa:ボア)を巻き付けたように見えたことから、ボアと呼ばれるように。現在では、本物の毛皮ではなくても、そのように見える布地を「ボア」と呼んでいるようです。

マフラー

マフラー

ふじもりたけし

マフラーとは?

一般的にはウールでつくられた長方形の巻き物で、首に巻いたり襟や肩に掛けたりするものを指します。アメリカやイギリスでは、「マフラー(muffler)」という英単語は車の部品などの消音機を差し、ファッションアイテムとしてのマフラーは「スカーフ(scarf)」と表します。

マフラーの歴史

16世紀~17世紀にかけて、女性がハンカチーフのようなもので顔の下半分を隠すファッションが流行します。このファッションを、「包み隠すもの」という意味で「マフラー」と呼ぶようになったといわれています。しかし、その流行も時代の流れで衰退。顔の下半分だけ隠すというファッションが首元まで降りてきて、現在でいう「マフラー」の形となったそう。

マフラーの基本の巻き方

肩かけ巻き

"マフラー 肩かけ巻き

すなべしょう

左右の片方を垂らし、もう片方を背中側に回した定番の巻き方。

ぐるぐる巻き

"マフラー ぐるぐる巻き"

Kazuhiro Konta

首元にキュッと巻き付けて、横もしくは後ろで結ぶ。顔周りにボリュームが出るので、スタイルもよく見えます。巻き方はこちらで紹介しています。

ループ巻き

"マフラー ループ巻き

Andy Dean

カジュアルスタイルにぴったりの定番の巻き方。マフラーを半分に折り、首にかけたら、ループになった部分に反対側のマフラーの先端を通すだけ。マフラーの長さや素材によって、仕上がりの印象も変わります。

ちなみに、マフラーの進化系として「スヌード」も人気ですね。
黒いスヌードを巻いた女性

runa

スヌードの特徴は、最初からループ状になっている点。結び目がほどけたり、一度巻いた形が崩れたりしないのもメリット。首にすきまなく巻きつければ、防寒効果も高くなります。

主な素材

ウール(羊毛)

 ウール

siro46

主に羊の毛を指しますが、そのほかに、ヤギ、アルパカ、キャメルなどの毛を含むことも。弾力性や保温性に富んでおり、防寒着などに多く用いられています。

アンゴラ

 アンゴラウサギ

さざなみ ※写真はアンゴラウサギ

アンゴラウサギの毛を用いた衣類。繊維が細く、柔らかい肌触りが特徴。「ウールの1/3軽く、あたたかさは3倍」ともいわれています。ちなみに、アンゴラヤギの毛は「モヘア」と呼ばれています。

スカーフ

花柄のスカーフ

遥花

スカーフとは?

本来の意味合いは、「衣服に添えられる布地全般」。ただし日本では、明治以降持ち込まれて以来、“シルクなどの薄い織物に華やかな色柄をプリントした正方形のもの”を指しています。頭を覆ったり、首に巻いて襟元にのぞかせたりするだけでなく、肩に掛けたり、腰に巻いたりして使います。

スカーフの歴史

中世(1560年頃)は、男女共に非常に大きな布地を「防寒用」のスカーフとして使っていました。防寒用なので、肌に直接巻くのではなく、シャツの上から掛けるのが定番だったよう。一方、女性用小物としては、シルクの布に房飾りや金銀の刺繍を施した布地も登場。頭を覆い、日焼け防止や埃よけとして使用したものも「スカーフ」と呼ばれていました。

 19世紀の女性の服装

Image from page 53 of "The North Carolina Presbyterian" (1858) by Internet Archive Book Images

このように昔は、防寒用、日焼け防止、埃よけなど、幅広い目的のアイテムを「スカーフ」と呼んでいたようです。時代を経て現代、「スカーフ」の定義は「薄いシルクの布」と限定されています。これは、フランスのルイ14世(在位1643~1715年)が絹を好んだことからとされています。

また、スカーフが「女性ならではのアクセサリ」となったのは、女性がテーラードスーツなどの男性的なファッションを取り入れるようになった19世紀ごろといわれています。当初は男性用のスカーフを女性が使い首下で結んでいました。次第に女性でも使えるよう多彩な色柄が登場。女性もファッションとして楽しめるようになり、以後、スカーフといえば特に女性用の装飾に富んだものを指すようになりました。

スカーフの基本の巻き方

アスコットタイ スカーフ

アスコット タイ

nickdale

ジャケットや開いたシャツ、Vネックニットなどに合わせたり、さまざまなファッションに取り入れられる巻き方です。

1.

スカーフの幅が細くなるよう折りたたみ、首に巻きつける。

2.

首にかけたときは、長さが8:2くらいになるよう、極端に長さに差をつけるのがポイント。

3.
両方を結ぶ。その際、1回結びではなく、リーフノットと呼ばれる片結びにすると、時間が経ってもほどけてこない。

4.

結んだら、短い方の端を持ち、首の前で長い方の後ろから前に通す。あまった長い部分は裏側に折り込むなどして隠せば完成。

リボン結び

リボン結び スカーフ

Taka

首にスカーフを巻き、蝶結びをつくる。リボンの位置を正面にしたり、真横にしたりと場所を変えるだけでも印象チェンジ。華やかなシーンにもよく映えます。

ピエロ巻き

"CA巻き"とも呼ばれる、先端がプリーツ状に広がった華やかな巻き方。アコーディオン状に畳んだスカーフを首に巻いて2回結び、中央の結び目からプリーツを綺麗に開いて整えれば完成。かなりボリュームが出るので、ヘアはショートか、タイトにまとめるなどにして、スカーフだけに重点をおくようにするとバランスがとりやすい。

ネクタイ結び

首元でキュッと固結びにして、ネクタイのようなシルエットに整えれば完成。ミニマムでマニッシュな印象に仕上がります。

首に巻くだけでなく、頭にかぶったり、細く折ってベルト風に腰に巻いたり、パレオ風に用いたり、さまざまな使い方ができるのもスカーフならではの特徴です。

主な素材

シルク(絹)

赤いシルク 素材

TAKA

蚕の繭をほぐしてとった糸(生糸)やその製品。あらゆる繊維の中でも光沢があり美しく、手ざわりもやわらか。弾力があるのでシワになりにくいのも特徴です。また染料のそめ付きがよく、鮮やかな発色に染まることから、スカーフに多く用いられています。

巻き方の前に、素材と取扱表示を確認する

同じ巻き方でも、布の厚さや長さで結び目の大きさは変わります。首周りを締めすぎず、前後から見た丈と、座ったときの邪魔にならない位置を確認しましょう。試すときは一度ゆるく巻いてから、必要な場所だけ整えます。

ストールをゆるく肩に掛けた女性
説明用の生成イメージ。実商品・実使用の写真ではありません。

シルク、ウール、合成繊維などの名前だけで、洗い方を決めないことも大切です。手入れは製品の取扱表示に合わせ、引っかかりやすいアクセサリーとの組み合わせにも注意します。収納前は湿ったまま折り重ねず、状態を確かめてください。

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