ロレアルR&I、第3回日本化粧品技術者会学術大会で革新的な美容研究を発表
世界をリードするビューティーテックカンパニー、ロレアルグループの日本における研究開発部門であるロレアル リサーチ&イノベーション ジャパンは、2025年12月8日から10日にパシフィコ横浜ノースで開催された第3回日本化粧品技術者会学術大会において、消費者が求める化粧品の機能性に関する3件のポスター発表を行いました。
同大会は、国内最大級の化粧品関連学会であり、皮膚や毛髪、心理面に関する学術研究が発表される場です。

ロレアルR&Iが最新の美容研究成果を公開
ロレアル リサーチ&イノベーション ジャパンの研究員が発表したポスターのテーマは以下の通りです。
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「高い洗浄力と肌悩みに対応する効果」を両立する、次世代クレンザーに関する独自の複合化技術「Glyco-san」
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ポリイオンコンプレックス(PIC)を応用した「ハリのある滑らかな皮膚」のためのメイクアップベース
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脳波(EEG)による「ヘアカラーの匂いが消費者の心理に与える影響」の検証
これらの研究は、機能性や持続可能性、心理的側面といった多角的な視点から化粧品開発の新たな可能性を探るものです。
「Glyco-san」:洗浄力と肌悩みに応える次世代クレンザー
河西毅彦氏らによる研究「Glyco-san:クレンザー機能を強化するためのキトサンを基にした多機能性技術」では、次世代クレンザー技術「Glyco-san」が発表されました。
この技術は、高い洗浄力と肌に有用な物質の保持という相反する課題を解決するために開発されたものです。
バイオ由来のキトサンとラムノリピッドを静電的に複合化し、油分を乳化・封入することで、泡の安定性を向上させながら、有益なエモリエントオイルや有効成分を皮膚に残留させることに成功しました。
天然素材を活用し、有機溶剤や加熱を必要としない調製プロセスは、グリーンケミストリーの原則に沿った持続可能な技術として、スキンケア処方など幅広い用途への応用が期待されています。
ポリイオンコンプレックス応用メイクアップベースで「ハリのある滑らかな皮膚」へ
茂垣里奈氏らによる研究「皮膚完全性の新基準: ハリのある滑らかな皮膚のためのポリイオンコンプレックスを基にしたメイクアップ」では、ポリイオンコンプレックス(PIC)を応用したメイクアップベースが紹介されました。
PICは、特定の構造を自発的に生成し、皮膚上で柔軟な皮膜を形成する複合材料です。
本研究では、ヒアルロン酸、ポリリジン、フィチン酸からなる新規PICを開発し、皮脂コントロールと皮膚の保湿バランスを両立する化粧下地に応用しています。
臨床試験の結果、この下地は油分コントロールと保湿のバランスを実現するだけでなく、皮膚のハリと弾力性を改善し、長期使用で皮膚の滑らかさと弾力性を著しく改善することが確認されました。
これにより、一日中続くマットな仕上がりと、日常的なメイクアップを通じた皮膚性状の改善という新しいコンセプトが提供されます。
脳波で検証したヘアカラーの匂いが心的状態に及ぼす影響
山本佐和子氏らによる「ヘアカラーの匂いが心的状態に及ぼす影響:EEGによる神経生理学的検証」では、ヘアカラーリング中の匂いと頭皮の不快感が感情価に及ぼす影響が検討されました。
神経生理学的手法である脳波(EEG)と主観的評価アンケートを併用した解析の結果、アンモニアを含むサンプルは強い不快感とストレス反応を引き起こす一方で、アンモニア無配合のサンプルではこれらが軽減されることが示されています。
消費者が主観的には認識していなかった感情変化も脳波により可視化されたことは、消費者の精神的体験を深く理解する上で有用であり、今後のヘアカラー製品や施術プロセスの改善に貢献する可能性があると発表されています。
この発表は、京都橘大学大学院健康科学研究科兒玉研究室との共同研究に基づいています。
ロレアルグループと日本の研究開発拠点
ロレアルグループは115年にわたり美容・化粧品業界を牽引しており、そのパーパス「世界をつき動かす美の創造」のもと、持続可能でインクルーシブな形で美を通じて社会に貢献することを目指しています。
世界13カ国に21の研究開発拠点を持ち、4,000人以上のサイエンティストと8,000人を超えるデジタル人材を擁し、ビューティーテクノロジーの推進を重視しています。
ロレアルグループの詳細については、ロレアルグループ メディアルームをご参照ください。
日本におけるロレアルの研究開発は1983年に始まり、現在、日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンター(所在地:川崎市)が戦略的なイノベーション拠点としての役割を担っています。
40年以上にわたり日本の文化、歴史、社会、人々の理解を深め、200名以上の研究員がランコム、シュウ ウエムラ、TAKAMI、キールズ、イヴ・サンローラン ボーテ、ケラスターゼ、メイベリン ニューヨークなどのブランドにおける開発を推進しています。
日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンターの活動については、日本ロレアル リサーチ&イノベーションをご覧ください。
なお、本発表に関する追加情報として、関連資料が公開されています。
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